墓の名義人を変更するとき、費用はどのくらいかかるのでしょうか。手続きの方法や必要な書類も気になるポイントです。お墓の名義変更について、承継者がいない場合の対処法なども併せて解説します。
お墓 名義変更の基本
お墓の名義人は、そのお墓の持ち主であり、維持管理等の責任者でもあります。名義人がお墓を管理できなくなった場合は、他の人が名義人となり、そのお墓を継続させる必要があります。
名義人変更が必要なケースやタイミングを見ていきましょう。
お墓の名義変更が必要なケース
お墓の名義変更が必要なケースは、主に以下の通りです。
- 名義人の死亡
- 名義人が病気等でお墓の維持管理が不可能
- 離婚や遠方への移転により、名義人としてふさわしくなくなった
基本的には名義人が亡くなったときに変更するものですが、病気や離婚・離縁などの事情があるときも、名義変更できるケースが多いようです。
ただし霊園によって規定が異なるため、死亡時以外に名義変更したいときは、まず霊園側に確認しましょう。
お墓の名義変更手続きのタイミング
お墓の名義変更には特に期限が設けられていないため、名義人が亡くなった場合でも、急いで手続きする必要はありません。
ただでさえ家族を亡くすと気持ちが落ち込みますし、葬儀の手配や法的な手続きにも追われます。
そもそも亡くなった名義人は自分のお墓に入るわけですから、埋葬時などに霊園に伝えておき、落ち着いたら正式に手続きすればOKです。
とはいえ、いつまでも名義人を変更しないのも問題です。変更手続きをしておかないと、新しくお墓を受け継ぐ人に霊園からの連絡が来ないため、管理費用の滞納につながります。
管理費用を長期間滞納すれば、無縁墓とみなされ、お墓を撤去されても文句は言えません。埋葬後はできるだけ早めに手続きすることを心がけましょう。
承継者の決め方
「承継者」とは新しくお墓の名義人になる人のことです。承継者には、元名義人の配偶者や子ども、兄弟姉妹などの血縁者がなるのが一般的です。
昔は「長男が継ぐ」といった考え方もありましたが、名義人はお墓の所有者なので、将来そのお墓に入る予定の家族や親族なら誰でも構いません。血縁がなくても故人と親しかった人が承継者となるケースもあるのです。
ただし霊園によっては「三親等まで」などの決まりがあるため、事前に確認が必要です。
また原則として名義人は1名と決まっており、兄弟など2名以上の連名にはできません。子ども達で維持管理を分担したいときでも、名義人はどちらか1人に決めておきましょう。
なお、お墓に通いやすい場所に住んでいる人の方が、なにかと便利です。
次の承継者がいないときは
以下のように、本来承継者となるべき人が、それを望まないケースもあるでしょう。
- 自分にお墓を継いでくれる家族がいない
- 子どもに負担をかけたくない
- 霊園が遠くて維持管理が難しい
今自分がお墓の名義人になっても、次の承継者がいないなら、将来的にその墓を維持するのは難しくなります。
この場合、名義変更するかどうか、迷う人もいるでしょう。先述の通り名義変更を先延ばしにすると、霊園にも迷惑が掛かります。
また名義変更したからといって、永遠にお墓を守らなければいけないわけでもありません。近年は「墓じまい」する人も多く、対応したサービスも充実しています。
迷ったときはとりあえず名義変更だけしておき、承継した後でゆっくりお墓をどうするかについて検討するとよいでしょう。
お墓 名義変更の費用
お墓の名義変更の費用は、どのくらい見積もっておけばよいのでしょうか。霊園の種類別の手数料相場や、書類の準備費用などを見ていきましょう。
お墓 名義変更の手数料
お墓の名義人を変更するときは、以下のような手数料がかかります。
- 公営霊園:数百~数千円
- 民営霊園:数千円~1万円
- 寺院墓地:数千円~1万円
もちろん具体的な金額は霊園により異なりますし、寺院の場合はお布施となるため事前に相談する方がよいでしょう。
書類の発行費用など
お墓の名義人変更手続きには、戸籍謄本や住民票など、いくつか書類を揃える必要があります。
書類の発行にはそれぞれ数百円程度の手数料が請求されるほか、役所への交通費や郵送費などもかかるので注意しましょう。
永代使用許可証を再発行するときも、霊園によって数百円から数千円の手数料がかかります。
また霊園が遠い場合、管理事務所に出向くための交通費もばかになりません。
お墓の名義変更の流れ
名義変更手続きのおおまかな流れを知っておくと、効率よく行動でき、手間や無駄な出費を抑えられます。
霊園の管理者に連絡する
最初に名義変更を希望することを、霊園の管理者に連絡しましょう。連絡先は下表の通りです。
公営霊園の場合は、自治体が管理者ですので役所の窓口に問い合わせます。
同時に必要な書類や申請の期限・費用・注意事項などを確認して、不明点をクリアにしておきましょう。
| 墓地の種類 | 連絡先 |
|---|---|
| 公営霊園 | 役所 |
| 民間霊園 | 管理事務所 |
| 寺院墓地 | お寺 |
書類を揃える
連絡が済んだら、必要書類を用意します。基本の書類と入手方法は以下の通りです。
- 名義変更届:管理事務所で受け取る・管理者のWebサイトからダウンロード
- 永代使用許可証(墓地使用承諾書):元名義人が所有しているお墓の契約時に発行された書類
- 戸籍謄本:元名義人と新名義人の続柄や元名義人の死亡年月日が確認できるもの
- 新名義人の住民票:本籍地が記載されたもの
- 新名義人の印鑑登録証明書
戸籍謄本・住民票・印鑑登録証明書は自治体の役所の窓口で発行してもらいます。マイナンバーカードを持っている人は、コンビニでも発行可能です。
元名義人の遺言により継承する場合は遺言書、親族以外の人が承継する場合は理由書や本来継承するべき人の同意書が必要となります。
管理者に連絡する際に、こちらの事情をしっかりと伝えることで、書類の不備などがなくなり、手続きがスムーズに進むでしょう。
将来の予定をたてる
無事に名義変更が済んだら、次の承継者を決めたり、墓じまいを検討したりと、将来お墓をどうするのかを考えておくことをおすすめします。
いずれにしても、自分で勝手に決めるのではなく、親族と話し合うのがベターです。特に墓じまいや墓の引越しの場合は、手を合わせる場所がなくなってしまうことを意味するため、反対する人もいるでしょう。
遺族が仲良くしていることこそ、故人への何よりの供養です。後でトラブルにならないよう十分に配慮しましょう。
お墓の名義変更 費用を知って早めの手続きを
お墓の名義変更にはトータルで少なくとも数千円~数万円程度の費用がかかります。とはいえ、お墓を継承していくためには必要な経費です。承継者が1人で負担することが難しい場合は、親族に相談してもよいでしょう。
霊園の迷惑にならないためにも、ひいてはお墓を最初に契約した元名義人の供養のためにも、早めに手続きすることをおすすめします。







