これまでお墓といえば、墓地に墓石を設置して、中に遺骨を埋葬するスタイルが一般的でした。しかし近年はお墓の形も多様化しており、墓石に代わる、新しい埋葬・供養の形式に注目が集まっています。石以外のお墓の選択肢と、それぞれの特徴や選び方などを押さえ、参考にしましょう。
石以外のお墓が増えている現状
従来の墓地の概念を超えた、新しい供養のカタチとは一体どのようなものなのでしょうか。石以外の選択肢が増えている理由や、種類・特徴・選び方を紹介します。
お墓が多様化している背景
少し前までお墓といえば墓石の建つ場所であり、映画やドラマなどでも故人の墓石に手を合わせるシーンをよく目にしたものでした。
しかし近年は、新たにお墓を購入する際の選択肢が増え、昔ながらのお墓を選ぶ人は減っているようです。そこには主に以下の事情があると考えられます。
- 個人の価値観やライフスタイルの多様化
- 金銭的な問題
- 継承者の不在
墓石のあるお墓は基本的に祖父母やその親など、ご先祖様の代から建っていたり、親が子どもも一緒に入れるようにと建てたりするものです。つまり家族・親族みんなで守り、継いでいくことが前提となっています。
しかし核家族や子どものいない世帯、独身者などが増えている今、こうしたお墓の維持管理が難しくなってきたのも事実です。
お墓を建てるには、場所にもよりますが数百万円かかるうえに、管理費やお参り費用もばかになりません。そこで墓石を使わない、新しい埋葬スタイルや供養方法が人気となっているのです。
石以外のお墓の種類と特徴
石以外のお墓や遺骨の供養方法には、主に下記の形があります。
- 樹木葬
- 納骨堂
- 手元供養
- 散骨
- 合祀
樹木葬は文字通り樹木を墓標代わりにするため墓石が不要で、その分費用を抑えられます。専用区画を使用するタイプや合祀タイプ、ペット埋葬可能など、バリエーションも豊富です。
納骨堂は屋内に遺骨収納場所が設置されており、天候を気にせずお参りに行ける・汚れにくいため掃除が楽などのメリットがあります。
手元供養とは、遺骨またはその一部を自宅に置いて供養することです。手を合わせる対象として、仏壇や専用の小さな墓石などがあります。
散骨にはさまざまな方法がありますが、日本で一般的なのは海洋散骨でしょう。散骨では遺骨の一部をアクセサリー等に加工して遺族が身に着けられるサービスもあり、手元供養と併用するケースも少なくありません。
合祀は霊園や寺院墓地の合祀墓に、他人の遺骨と一緒に埋葬されるものです。永代供養となり、継承者がいない人でも墓地管理者が供養してくれます。
他にもデジタル墓地・宇宙葬・山岳墓地などがあります。
石以外のお墓の選び方
石以外のお墓を選ぶ際は、まず故人の意向や遺族・親族の価値観を明確にすることが重要です。新たに購入するにせよ、墓じまいして他の埋葬方法を選ぶにせよ、1人で勝手に決めてしまっては後でトラブルが起こる可能性もあります。
特に墓じまいするとなると、その墓に関わる全ての人や、寺院の了承を得る必要があるでしょう。
方針が決まったら、具体的な方法を決めることになります。どの方法でも気を付けたいのは、「経済的な負担」「アクセス・維持管理」「継承者」「宗教」です。
経済的な負担については、ほとんどの場合石のお墓を建てるよりは安く済むはずですが、当然立地条件や広さ、付加サービスの有無によって幅があります。
アクセスや維持管理も、石のお墓に比べると楽な方法が多いものの、樹木葬ではそうとも限らないケースも。継承者の見込みや、宗教上の制約についても確認が必要です。
樹木葬・納骨堂・海洋散骨などを選ぶ場合は、あせらず、業者をよく比較検討することをおすすめします。
人気の高い「樹木葬」と「散骨」の基本
自然との共存や個性的な供養を求める人々に支持されている、樹木葬や散骨。石のお墓以外の選択肢として、候補にあがりやすい方法といえますが、それぞれ特有の進め方と注意点があります。人気が高まっている供養方法の基本について、その魅力と共に解説します。
樹木葬の進め方と注意点
樹木葬は、森林や樹木がある場所に遺骨を埋葬し、自然の一部として供養する方法です。とはいえ、無闇に遺骨を埋葬するのは違法ですから、まずは樹木葬できる墓地を探さなくてはなりません。
近年は一般的な墓所に加えて、樹木葬の区画を設けている寺院や霊園も多いので、候補地をいくつか探し、絞り込みましょう。
樹木葬の資料を一括で請求したい人は、こちらが便利です。希望のエリアと墓のタイプを選び、必要事項を入力するだけで、最短2日で資料を届けてくれます。
樹木葬にも個別埋葬から合祀まで種類があり、条件によって費用も大きく異なります。シンボルツリーの種類や、成長度合いも見逃せません。好きな樹木を植えたい人、樹木にこだわりがある人は特に注意しましょう。
合祀の場合、後で遺骨を取り出したくても不可能なケースが多いこともよく理解する必要があります。
散骨の一般的な知識
散骨は遺骨を海や山など、特定の場所に撒く供養方法です。こちらも勝手に撒いてよいわけではなく、一定のルールやマナーが存在します。
- 粉骨してから撒く
- 海岸や漁場の近くを避ける
- 服装や環境汚染に配慮する
法律では、遺骨を埋葬してよいのは墓地のみとされているため、海であってもそのまま沈めるわけにはいきません。
このため散骨前に、必ず粉骨を行います。粉骨とは遺骨をそれと分からないくらい、細かく砕くことです。ほとんどの場合、散骨業者が粉骨もやってくれます。
また、海洋散骨は沖に出てから撒くのが基本です。港や漁船の近くでの散骨もNGです。粉とはいえ、散骨していることは、はたから見るとすぐ分かってしまうもの。
もし自分が遊びに行ったビーチの近くで、海洋散骨が行われていたら、どうでしょうか。同じ理由で、乗船時の服装も喪服ではなく平服を求められます。平服での乗船には、船上での安全確保の意味もあります。
環境汚染への配慮とは、主に副葬品のことです。故人が好きだったものを一緒に海に入れたい気持ちもあるとは思いますが、自然に還らないものを撒いてはいけません。せいぜいお酒や、花びらくらいと思っておきましょう。何がよくて何が悪いのかは、事前に業者に問い合わせれば教えてくれます。
家族で継承するか、永代供養か
お墓の在り方には家族で継承する伝統的な方法と、寺院などが供養を代行する永代供養という選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットが存在し、選択には故人の意向や遺族のライフスタイルを考慮する必要があります。石以外のお墓を希望するなら、継承についてもはっきりさせておきましょう。
家族で継承するお墓のメリット・デメリット
家族で継承するお墓は、代々受け継がれる家族の象徴として意義深いものです。お参りに行けば、そこに眠っている家族に一度に会えますし、掃除や供え物をすることで遺族の心も安定します。
子や孫にとっても、自分の入るべきお墓がすでに用意されているという、安心感があります。お盆やお彼岸などに、家族の絆を深める機会となり得ることも、大きなメリットといってよいでしょう。
一方で、お墓の維持管理ができる家族が少ない・継ぐ人がいない場合、所有者の負担が増すことになります。せっかく立派なお墓を建てても、将来的に無縁墓になっては霊園にも迷惑がかかるため、慎重にならざるを得ません。
永代供養の方法とその効果
永代供養は、寺院や霊園が代わりに供養を行う方法であり、個々の事情により後継者がいない場合などに適しています。
この方法の効果としては、遺族にとっての心配事が少なくなることや、経済的な負担が明確になることが挙げられます。
樹木葬や納骨堂など石以外のお墓は基本的に永代供養付きですから、一人暮らしや夫婦だけの世帯でも安心です。
海洋散骨でも、散骨地点に行って法要できるプランもあるので、一周忌や三回忌くらいはやりたいと思っている人も心配ありません。
手元供養している人は、自身が亡くなった後どうして欲しいのかを、信頼できる人に伝えておくとよいでしょう。
ただし、永代供養の契約内容や条件は提供する側によって異なるため、契約前に詳細を確認することが重要です。
お墓や供養の相談ができる業者
お墓探しは一生のうち、何度もするものではありません。ほとんどの人が、初めてお墓を決めなくてはならない状態でしょう。石以外のお墓についても、気軽に相談できる業者を紹介します。
ライフドット
樹木葬の項目でも紹介した、霊園墓地の資料請求サービスです。樹木葬のほか、「一般墓」「納骨堂」「永代供養」から気になるタイプをチェックでき、全国8,700以上の霊園墓地から希望に合った資料が一括で届きます。
Web上にない霊園も紹介してくれるので、自分で探す手間が大幅に省けるでしょう。
みんなの海洋散骨
「みんなの海洋散骨」は、名前からは想像できないほど、さまざまな新しい供養スタイルについて相談できるサイトです。
海洋散骨のほか、空中葬やダイヤモンド葬、ゼロ葬(火葬場での供養)なども扱っています。散骨が気になるけれど、ほかの方法も検討してみたい人には、ぴったりかもしれません。
相談・見積はもちろん無料。意外な供養方法が見つかるかもしれないので、1度相談してみるとよいでしょう。
ミキワの墓じまい
今のお墓をやめ、新しいお墓に引越しや永代供養への変更を考えている人は「墓じまい」が必要です。墓を放置すると、荒れてしまうだけでなく霊園や寺院に迷惑がかかるため、きちんと手続きをしましょう。
ただし墓じまいには行政手続きや墓石撤去作業など面倒なことが多く、寺院から高額なお布施を請求され、トラブルとなるケースも。最初から墓じまい専門業者に依頼する方が、時間もお金も節約できるといわれています。
「ミキワの墓じまい」は、料金プランが明確で、改葬先や新しい供養方法も提案してくれます。もちろん、見積・相談・資料請求は全て無料です。
今あるお墓のことで悩んだら、とりあえず相談してみても損はないでしょう。
供養の選択肢は多い。自分に合う方法を見つけよう
故人をしのぶ方法は一つではありません。今や多様な供養の形があり、それぞれに個性と意味が込められています。自分や家族に合った供養方法を選ぶことで、故人を心から尊重し、遺族の思いを形にすることができるでしょう。この記事を参考に、あなたにとって最適な供養方法を見つけてください。










