墓じまいの際に気になるのが、使っていた墓石の処分です。墓石を勝手に捨ててはいけないのはもちろんですし、故人への思いから捨てるのに抵抗を感じることもあります。
墓じまいを検討するなら、まずは墓石の正しい処分方法を知り、自分がどうしたいのかを考えておくべきでしょう。墓じまい後の墓石について、現状を解説します。
墓石処分の方法
墓じまいで出た墓石は、どうなるのでしょうか。一般的な流れを見ていきましょう。
墓地からの撤去
墓じまいのやり方には、自分で寺院や霊園と交渉する方法と、専門業者に依頼する方法があります。
いずれにしても、お墓を個人が解体し、石などを運ぶことは難しいため、墓の解体や撤去作業は、石材業者が行います。
自分で寺院や霊園と交渉する場合はもちろん、墓じまい専門業者に依頼する場合も、墓石撤去の費用やその後の処理方法について、どうなっているのか確認すると安心です。
処理業者で粉砕
墓じまいされた墓石は、石材業者を通じて、産業廃棄物処理業者が回収します。
回収された石は処分場で細かく粉砕され、資源として生まれ変わります。舗装工事や建築の資材として活用され、無駄になることはありません。
ただしまれに、墓石をそのまま山中に捨ててしまう違法業者も存在するようです。墓石が思わぬところに捨て置かれ、自然破壊や他人の迷惑になっては大変です。
墓じまいの際は信頼できる業者を選ぶ必要があるでしょう。
一部をリサイクルする取り組みも
墓石は大きいので粉砕せず、海の護岸保護に利用する地域もあります。また、粉砕に抵抗がある場合、竿石だけ寺院の無縁塚などで供養も可能です。
表面の彫刻部分を削って、再度墓石として利用する手もあります。お墓を引越すときなどに使えますが、運搬費用や研磨費用などが高くつくこともあるため注意しましょう。
さらに近年は、墓石の一部を切り出し、プレートや数珠など、メモリアル用品に加工できるサービスも増えています。
墓石処分後の供養
墓じまいでは、墓石の処分以外にも、埋葬していた遺骨をどうするかを決めなければなりません。主な供養方法を簡単に紹介します。
改葬
新たな墓地に埋葬し直す方法です。これまでと同じような、墓石のある墓地でもよいですし、樹木葬や納骨堂という選択肢もあります。
近年は一定期間墓石をレンタルできる「サブスク」タイプのお墓も。
それぞれの費用や特徴はこちらをチェックしましょう。
散骨
散骨とは、パウダー状にした遺骨を海や山、宇宙などにまくことです。散骨すると、遺骨を新たに埋葬しなくてよいので、供養料やお墓の維持費用がかかりません。
遺骨の一部をアクセサリーやインテリア用品等に加工して、身近に置くこともできます。
その代わり手を合わせる場所もなくなってしまうため、親族等の同意を得ないとトラブルに発展する可能性がある点に注意が必要です。
手元供養
骨壺を自宅に安置して、手元供養することもできます。骨壺が入る小さな墓石も売っているので、自宅に「ミニ墓地」を作れます。
ただし地下に長年埋葬してあった遺骨は、そのままだとカビなどが発生するおそれもあるため、粉骨して小さな骨壺に入れ直す方がよいでしょう。
永代供養
永代供養は寺院や霊園が遺族に代わり、「永代」にわたりお墓の維持管理や供養をする埋葬方法です。
個別の墓というより、集合墓や合祀墓などが多く、基本的には他の人の遺骨と合同で埋葬されます。
基本的には永代供養料を一度払うだけで、後は何もする必要がないので、近年は最初から永代供養を選ぶ人も増えているようです。
樹木葬や納骨堂、サブスク墓にも永代供養料が込みのケースも多く見られます。
暮らしの役に立っている墓石
墓じまい後の墓石は産業廃棄物として扱われ、道路や建物、護岸などに再利用されています。先祖を祭っていた墓石が社会の役に立っていると分かれば、墓じまいで気持ちの整理をつけやすいでしょう。
お墓はいらなくなったからといって、放置するわけにはいかないものです。不要になった墓石のゆくえや、その後の供養方法も視野に入れた上で、墓じまいの手続きを始めましょう。














